poetry laboratory

[詩の試作・発表][エッセイ・散文]

海を見ていた

あれから 何年たっただろう
また夏が来た
いつもと同じように
また海を見る

まっしろに心をとかすと
昨日のことみたい

変わらないことだってあるけど
あんなふうに 毎日会うわけにはいかないね
いつだって
自分の場所を変えるときが いちばんさみしい

海は
遠くにゆくほど きれいに見える
水平線に見たことのない風景を隠している

ぼくは
つぎの冒険を待つ子供みたいに
海を見ていた
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甘えていい存在じゃないことは知っている

未来を期待してはいけないことも
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引越

タカラモノを見せてあげる
約束したのに
どうして

きみの家は からっぽ

開け放たれた窓
夏の陽射しは
からっぽの部屋から
色まで 抜き去ってしまった
まっしろに

いつも ふたり 丘の上
ぼくは ひとり たいせつな箱を開ける
透明な ビー玉
ちいさな錆びた カギ
青い色の 石
ちびた ロウセキ
かけた おちょこ
虫メガネ
玉虫の標本
せみのぬけがら

青い色の石 と 玉虫の標本 は
きみにあげるつもりだったのに
なんだったら
箱ごと 全部 あげちゃってもよかったんだ
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