とびうお

2007年08月15日 01:18

ひとつめの涙は 海
閉じ込められた深いあお
ひきずられるのを怖れたあれは
鳥にはなれない とびうお

ふたつめの不思議は 翼
銀色にひかる 月にはえる
あこがれてあこがれてあこがれて
鳥になりたい とびうお

 海は擬似空間
 まがいものの翼で
 きみは 自分もだましている

みっつめの秘密は 空
なにも知らない小さなさかなは
ときどき その翼で
鳥を真似する
とびうお

北緯40度の月

2007年08月15日 01:14

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いくつもいくつも
夏空をおいこして
北へむかうと
北緯40度の線で
月は黙ってのぼってくる
だれもいない平原で
ひまわりだけが
月をみていた
限りなく静かなこころで
やはり黙って

夏の一瞬

2007年08月15日 01:11

ああ ぼくらはなにも変わっちゃいない

あの日かわらではしゃいだ時
ぼくらを見ていた太陽だって
そう思っていたにちがいない

年齢なんて なんて無意味
ヤニくさいシャツだって
なんだか
生意気そうにしかみえない

二度ともどらない一瞬
を 切りとった写真
ほら みんなこんなにたのしそう

観覧車

2007年08月15日 01:08

いっぱいの こどもたち
ひとりの ぼく

夕暮れを待って観覧車にのる

ぼくの生まれたまちがみえる
ねむっているような

錆びた観覧車だけが
夏空を まわってる
ぼくをのせて

雲間からこぼれる光のように
天使をしたがえて
おちていった
時間

天上と地上をひとめぐりすると
いっぱいの こどもたち
のなかの ぼくは
ひとりの まいご

八月の丘

2007年08月15日 01:04

夕立がやんだから
沈んでゆく太陽が見えるから
あの坂をのぼって丘に行こう
夏草のゆれる丘の上で
ぼくが見下ろすのは何処だろう

夏草に隠れて暮れてゆく空を
見つめている
いつかのきもちで
今も同じきもちで

きみと迷い込んだ路地も見える
あの小径をぬけたところに
そうだ やっぱり ここがあった
あの道も あの道も
いつも丘にのぼる坂

わかりかけた明日

ふとりかけたお月さま
が 見え出した

夏のベランダ

2007年08月15日 00:57

四角く切り取られた空
育つだけ育ったゼラニウム
洗濯物がコソコソ乾いてゆく
風が通る
笑う洗濯バサミ

夏の午後
タバコとおひさまと傷んだ桃

除湿機から細く水がおちる
気体から液体に変わったばかりの
きみわるく冷たい水

公園から子供の声
日没を知らせるオルゴオル
サンダルからのびる
不健康に白いわたしの足

地球の夏休み

2007年08月15日 00:52

もうすぐ 太陽がのぼる
地球は 虹色にひかる金のビーズで満たされてゆく

ぼくらは 瞳のコンパスに
なにを映している?
胴乱のなかで動いている
それ なに?

走り続ける
楽園を求めて
いつも いつも
朝はぼくらにあたらしい一日を約束してくれる

知らなければいけないことが
かならずある
ぼくらには みんな意味がある

はじめての道
あったことのない人たち
みたことのない空
すべて ぼくらに続く時間

東風なら
地球がまわっているのがわかる

はじまったばかりの太陽の冒険
はじまったばかりの地球の夏休み